日本を代表する哲学者「今道友信」氏(1922~2012)が提唱した新しい倫理学又は哲学の考え方。
かつて生きる支えになった宗教や道徳などに変わる新しい、全ての考えの規範になる倫理学をあらゆる分野で考えてゆこうという学問です。
Eco-ethicaの語源のエコ(eco)は生態学の意味のエコロジー(ecology)のエコと同じで、主に地理学、動物学、植物学、生物学を含みます。エコエティカのエコは広義には生息圏の意味も含みます。倫理学の意味のエティカを合わせ、生圏倫理学としてのエコエティカという今道先生が作り出した造語になります。
1990年に出版された生圏倫理学入門「エコエティカ」の推薦文を引用すると、 「今日、生命倫理や医の倫理、環境倫理や技術倫理など、あらゆる分野で倫理が問い直されている。エコエティカとは、これら一切を含む「人類の生息圏の規模で考える倫理」のことで、高度技術社会の中での人間のエコロジカルな変化に対応する徳目とは何か。よく生きるとはどういうことか。今こそエコエティカの確立が急務であると説く。」
この本のはしがきの中から少し引用させていただくと、「これからの時代に必要な新しい倫理学について書きました。それは「エコエティカ」と言います。人間の新しい生活圏における新しい倫理学すなわち「生圏道徳学」あるいは「生圏倫理学」という日本語で呼ばれることもあります。(中略)このエコエティカは1960年代の半ばに私が提示し、1970年代から国際的に適用する学名となり、今ではその研究年報が私どもの研究所から国際哲学雑誌として毎年一冊ずつ出版され、国際的な執筆陣による内容も高く、世界の各方面で注目されるようになりました。(中略)残念ながら、エコエティカはその祖国である日本では、まだ十分に知られてはいません。(中略)学術的水準を保った研究発表として新しい思索である、と思っております。」
塩崎ビルとしては特に環境問題を考える時に、また全ての指針としてこのエコエティカの考え方に深く賛同しています。